ナルシシズムが遷延すると、自己愛性神経症が成立する。ナルシシストは自我を刺激して喜びを得ることに慣れ、現実よりも妄想を、現実的な評価よりも誇大な自己認識を、普通の性行為よりもマスターベーションと性的妄想を好むようになる。
自己愛神経症とは精神分裂病を指す。フロイトは対象に一切のリビドーが向かっていない事をナルシシズムと命名したが、二次的なナルシシズムで最も病理なのは精神分裂病であると考えられ、それは空想などの対象表象などにも一切のリビドーが向かっていないような現象を指す。精神病においては自己の幻想の部分にリビドーや死の欲動が備給されており、故に現実とは全く関係ない「幻想」を見るのだと考えられている。