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トビ
09/29 17:22
「頑張れ、頑張れ」心臓マッサージ実らず 友人残し無念の下山…御嶽山噴火
長野県と岐阜県にまたがる御嶽山(おんたけさん、3067メートル)の27日の噴火で、長野県警は28日、登山者ら31人が山頂付近で心肺停止になっているのを確認し、うち麓に搬送した男性4人の死亡を確認した。噴火は、1991年に43人が犠牲になった長崎県の雲仙・普賢岳噴火以来の惨事となった。けが人は少なくとも40人。有毒ガスが発生し、午後2時ごろ救助活動は打ち切られた。被災した登山者は、山小屋で一夜を明かすなどして下山し、過酷な体験と噴煙の恐怖を振り返った。
御嶽山の噴火で下山してきた被災登山者は、過酷な体験を振り返った。
茨城県ひたちなか市の鈴木貴浩さん(35)は、心臓が止まった友人を、やむなく山に残してきた。噴火時、山頂付近で突然、空が真っ暗になったという。同行の友人のうち、大学時代の後輩女性(35)が倒れ、意識がなくなった。噴石が当たった脚が不自然に折れ曲がり、大量出血していた。
山小屋は見えていたが、運べなかった。止血し、心臓マッサージしながら「頑張れ」と必死に繰り返したが、鼓動が止まってしまったのが分かった。悲痛な思いで女性を残し、下山した。
鈴木さんは安否不明者の家族らが待機する長野県木曽町役場の部屋で「できることはしたが…。搬送されることを願っています。確かめるまで帰れない」と涙をこらえた。
千葉県松戸市の主婦(69)は、魔法瓶が頭を守ってくれたという。噴火時は山頂付近。灰をかぶり倒れてきた人の重みで身動きが取れない。頭上にかざしたザック越しに、降ってくる岩の衝撃が伝わった。「後で中を見ると魔法瓶が割れていた。命を守ってくれた」
周りで数人が灰に埋もれていた。死の恐怖がよぎった。血を流す人を近くの社務所に運んだ。しばらく「痛い、痛い」とうめいていたが、やがて動かなくなった。噴煙が収まると、辺り一面に積もった灰の中からザックやストックの一部がのぞいていた。一緒にいた栃木県日光市の主婦(65)は「人が埋まっているんだろうけど、逃げるように離れてしまった」とつぶやいた。
木曽町の三岳交流促進センターでは40人が27日夜、大広場で雑魚寝した。山頂付近で被災した愛知県豊川市の男性会社員(52)は「ほとんど寝ていない。周囲に火山灰に埋まった人がたくさんいたのに助けられなかったので…」と目を伏せた。
(報知新聞社 09/29 07:02)
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