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06/15 05:00
>>4
太陽がまた一つ燃え尽きた
夜の街は静寂に包まれ、まるで
この世界には自分しかいないような錯覚に包まれる。

俺はこの錯覚が好きだ。
誰にも干渉されない世界
ノイズのない世界
俺だけの世界……

「よぉ」

だが、そんな世界を壊す奴がいる
天文部部長 戸田 美兎。トビだ。本来は(とだ びと)と読むらしいが、姓と名の頭文字をとってトビという名前を名乗っている。何にせよダサい。
因みに特技は「俺様はトビ様だぞ！何をしても許される！！」と言いつつやらかす逮捕芸だ。

御用になる様は圧巻である
これだけは評価しても良い

さて、このダサい、キモい、臭いの三拍子揃った典型的なキモヲタだが何か口をもごもごと動かしている。どうやら何か喋っているつもりらしい

「おい、聞いてんのか」
しょうがないので答えてやるとする
「あぁ？何？何かよう？用がないならさっさと帰ろうとしてる所をボコられるか今すぐボコられるか選べ」

「どちらにしろボコられるじゃねぇか……いいぜ乞いよ返り討ちにしてやるよ」

-数秒後-

「待った！待って下さい！すいませんっっしたぁぁぁ！！」

トビ、土下座。
まだそんなに殴ってないんだが……なんかふらふらしてんなコイツ

「もういいからさっさと帰れよ……今何時だと思ってんの」


「いや、待て。今日は用があってきたんだ」

「はぁ？」

用。用事のことか。こいつが？俺に？どうせ一緒に星見ようとかキモい話だろ

「露骨に嫌そうな顔するなよ」

「面倒くせぇ。早く話せよ」

「お前、宇宙人を見たことがあるか？」

「はっ」

……なんだコイツ。急に電波なこと言い出した。

「宇宙人はお前だろうが」

「ちっげぇよ。宇宙人じゃねぇし！！誰がミュータントじゃごらぁ！ってオイ待て帰ろうとすんな」

「付き合ってらんねーよ」


何が宇宙人だ。学校一のキモヲタもついに頭がおかしくなったか。
「なぁ、待ってくれよ。とりあえずこれ飲んでみろよ。これ飲んで望遠鏡覗いたら宇宙人が見えるぜ。うひひひひ！」

……本当におかしかった

「もしもし？K察ですか？」



さよならトビ。二度と出てくんな

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